

「薬を飲んだら、ロボットみたいに感情がなくなるんじゃないか」
「副作用で激太りするってネットで見た…」
「一度飲み始めたら、一生やめられないんじゃ…」
不安障害やパニック障害で「お薬を飲みましょう」と言われた時。 楽になりたい気持ちと同時に、薬に対する強烈な**「恐怖心」**が湧いてきませんでしたか?
こんにちは、HSP(繊細さん)のなぎさです。
私自身、初めて心療内科で薬を処方された時、待合室で「抗うつ薬 副作用 太る」と検索しまくって、処方箋をゴミ箱に捨てようかと迷った経験があります。
でも、今ならわかります。 薬は「悪魔」でも「魔法」でもなく、ただの**「補助輪」**です。
今日は、多くの人が怖がっている「副作用(太る・眠気)」の真実や、「飲んでも効かない」と感じる時のカラクリについて、包み隠さずお話しします。 正しく怖がることで、治療への一歩を踏み出してみませんか。

結論から言うと、「太りやすくなる薬はあるが、全員が太るわけではない」です。
なぜ「精神科の薬=太る」というイメージがあるのか。 それには2つの理由があります。
一部の抗うつ薬(SSRIやNaSSAなど)や抗精神病薬には、ヒスタミンという物質をブロックする作用があります。 これが起きると、
・満腹中枢が鈍り、食欲が増す
基礎代謝が少し落ちる という現象が起きることがあります。 「水を飲んでも太る」わけではなく、**「食欲が暴走して食べすぎてしまう」**のが主な原因です。
実は、これが一番多い理由かもしれません。 不安やうつ状態で食欲が落ちていた人が、薬が効いて元気になると、ご飯が美味しく感じられます。 「健康的な食欲」が戻ってきた結果、体重も元に戻る(増える)。 これは回復の証でもあるのです。
【対策】
もし急激に体重が増えた場合は、医師に相談してください。 「太りにくいタイプの薬」に変えてもらうことも可能です。
「勇気を出して飲み始めたのに、1週間経っても不安が消えない!この薬は合わないんだ!」 そう焦って、勝手に飲むのをやめてしまう人がいます。 ちょっと待ってください。それには「タイムラグ」があるんです。
不安障害の治療でよく使われる「SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)」は、脳内のセロトニン濃度を調整し、体質を根本から変えていく薬です。 これは、即効性がありません。 効果を感じるまでに、早くて2週間、通常は4週間〜6週間かかります。
最初の1〜2週間は、効果が出ないどころか、吐き気などの副作用だけが出ることがあります。 ここが一番辛い時期ですが、「効かない」のではなく「準備中」なのです。
一方で、飲んで30分ほどでスッと楽になるのは「抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)」です。 こちらは「頓服(とんぷく)」として使われることが多いです。 医師がどのタイプの薬を出しているのか、しっかり確認しましょう。
HSPさんは薬への感度も高いため、副作用を強く感じやすい傾向があります。 代表的なものと、その対処法を知っておきましょう。
飲み始めの1週間によく起こります。 胃腸にセロトニンの受容体があるため、薬にビックリしてしまうのです。
対処法: 「吐き気止め(胃薬)」を一緒に処方してもらうのが鉄則です。また、多くの場合1〜2週間で体が慣れて消失します。
脳の緊張を緩めるので、どうしても眠気が出ることがあります。 対処法: 生活に支障が出るレベルなら、医師に相談して「夜寝る前に飲むタイプ」に変えてもらうか、量を減らしてもらいましょう。
「一度飲み始めたら、一生やめられないんじゃ…」 これが最大の恐怖ですよね。
ここで重要なのが、薬の「タイプ」を知ることです。
SSRI(レクサプロ、ジェイゾロフトなど): 依存性は極めて低いです。脳のバランスを整えるサプリメントに近い感覚で、医師の指導の下で徐々に減らせば、安全に卒業できます。
抗不安薬(デパス、ソラナックスなど): 即効性がある分、長期間・大量に飲み続けると依存形成のリスクがあります。
今の精神医療の主流は、依存性の少ない「SSRI」をベースにして治療し、依存性のある「抗不安薬」はここぞという時のレスキュー用に限定する、というスタイルです。 医師の指示通りに飲んでいれば、薬漬けになることはまずありません。
副作用が辛い時、効かない時、我慢せずに伝えてください。 HSPさんは「先生に悪いから」と遠慮しがちですが、治療の主役はあなたです。
「太るのが怖いので、体重への影響が少ない薬がいいです」
「仕事中に眠くなると困るので、眠気の少ないものはありますか?」
「1ヶ月飲みましたが、変化を感じません」
こう伝えて怒る医師はいません。 むしろ、情報をくれた方が、医師もあなたに合った処方を出しやすくなります。
薬を飲むことは、敗北ではありません。 骨折した足で無理やり歩こうとするより、ギプス(薬)で固定して、骨が繋がるのを待つ方が、結果的に早く治りますよね。
不安障害の薬も同じです。 脳の神経がすり減って炎症を起こしている状態を、薬で保護して休ませてあげる。 そして、エネルギーが溜まって自力で歩けるようになったら、少しずつギプスを外していけばいいのです。
「太るかも」「効かないかも」という不安は、診察室で全部先生にぶつけて大丈夫です。 副作用のリスクよりも、「不安で動けない毎日」から抜け出すメリットの方が、今のあなたには大きいはずです。 焦らず、あなたのペースで、回復への道を歩んでいきましょう。