

【最初にお読みください】
この記事は、一般的な医学知識とHSP当事者の経験に基づいた情報です。自己判断は危険な場合がありますので、日常生活に支障が出ている場合は、必ず心療内科や精神科の専門医にご相談ください。
「電車に乗ると、急に息ができなくなるんじゃないかと怖い」
「特に理由はないのに、将来のことが心配で夜も眠れない」
心の不調を感じて調べると、必ず出てくる2つの言葉。
「パニック障害」と「不安障害」。
「私ってどっちなんだろう?」
「もしかして、両方なの?」
症状が似ているため、自分では判断がつかずに不安がさらに増してしまいますよね。
こんにちは、HSP(繊細さん)のなぎさです。
実は、HSPさんはその感受性の強さゆえに、このどちらにもなりやすい傾向があります。そして、この2つは「不安の現れ方」に明確な違いがあります。
今日は、混乱しやすい「パニック障害」と「不安障害(主に全般性不安障害)」の違いを、専門用語を使わずに分かりやすく噛み砕いて解説します。
敵(症状)の正体を知ることで、恐怖心は少し和らぎます。一緒に整理していきましょう。

どちらも「不安」がベースにある病気ですが、不安の「襲ってき方」が違います。
分かりやすく天気で例えてみましょう。
さっきまで晴れていたのに、いきなり雷が鳴り、バケツをひっくり返したような雨が降る状態です。
「突然」「激しい」「短時間」の発作が特徴です。
「死ぬかもしれない!」と思うほどの恐怖が襲ってきますが、嵐が去れば(発作が治まれば)ケロッとすることもあります。
激しい嵐ではないけれど、常に空がどんより曇っていて、シトシトと雨が降り続いている状態です。
「慢性的に」「じんわりと」「長時間」続く不安が特徴です。
「なんとなく具合が悪い」「常に心配事が頭にある」という状態が、何ヶ月も続きます。
パニック障害の正体は、脳の警報装置(扁桃体)の誤作動です。
危険な状態ではないのに、脳が「非常事態だ!逃げろ!」と全力でサイレンを鳴らしてしまうのです。
パニック障害で一番厄介なのは、発作そのものよりも、その後に来る**「予期不安」**です。
「またあの発作が起きたらどうしよう…」
HSPは想像力が豊かなので、この予期不安が人一倍強く出ます。
その結果、「電車に乗れない」「美容院に行けない」「レジに並べない」といった、逃げ場のない場所を避ける「広場恐怖」に繋がりやすくなります。
一方、全般性不安障害(GAD)は、対象がはっきりしない不安が長く続くのが特徴です。
「心配しすぎ」というレベルを超えて、生活に支障が出ます。
HSPの気質である「深く考える」「些細なことに気づく」という特徴が、マイナスに作用してしまうと、この状態になりやすいです。
常に神経が張り詰めていて(過覚醒)、リラックスするスイッチが壊れてしまっている状態です。
「パニック発作はないけれど、毎日が辛い」というHSPさんは、こちらに近いかもしれません。
実は、「どっちか」ではなく、**「両方持っている」**というケースも非常に多いです。
「常に漠然とした不安(不安障害)があり、ストレスがピークに達した時に、パニック発作(パニック障害)を起こす」
というパターンです。
また、HSP特有の「うつ状態」や「適応障害」とも症状が重なる部分があります。
名前をつけるのはお医者さんの仕事ですので、「私は〇〇障害だ!」と決めつけすぎず、「今は脳が誤作動を起こして疲れているんだな」と捉えることが大切です。
パニック障害でも、不安障害でも、やるべき対策の根っこは同じです。
「暴走している脳の神経を鎮めること」です。
「あ、発作が来るかも」とザワザワした時におすすめなのが、意識を「今、ここ」に戻すテクニックです。
意識を「体感覚」に向けることで、脳の暴走(誤作動)を食い止めることができます。
全般性不安障害の「モヤモヤ」は、頭の中にあるから怖いのです。
紙に書き出して「見える化」しましょう。
HSPは脳内メモリがいっぱいになりがちなので、紙に吐き出すことでメモリを解放してあげてください。
「薬に依存したくない」という気持ち、痛いほど分かります。
ですが、パニック障害や不安障害は、気合いで治すものではなく、**「脳の物質不足」**が原因の場合が多いです。
骨折したらギプスをするように、脳が回復するまでの一時的な「杖」として、抗不安薬やSSRI(抗うつ薬)を使うことは、決して恥ずかしいことではありません。
漢方薬という選択肢もあります。
「辛い時間を1秒でも減らす」ことを最優先に考えてください。
パニック障害か、不安障害か。
その違いを知ることは大切ですが、もっと大切なことがあります。
それは、「あなたの体と心が、限界を訴えている」という事実を受け止めることです。
その症状は、あなたが弱いから出ているのではありません。
HSPという繊細な心で、今まで無理をして、気を使いすぎて、頑張りすぎてきた結果、脳が「もう休んで!」と強制停止ボタンを押そうとしているのです。
だから、まずは自分を責めるのをやめて、たっぷりと休んでください。
嵐はずっとは続きません。雨もいつかは止みます。
専門家の力を借りながら、ゆっくりと、本来のあなたのペースを取り戻していきましょう。