息苦しいのはどっち?不安障害とパニック障害の違いとHSPの対処法

息苦しいのはどっち?不安障害とパニック障害の違いとHSPの対処法

「急に心臓がバクバクする」「常に漠然とした不安が消えない」。似ているようで違う「パニック障害」と「不安障害(全般性不安障害)」。それぞれの決定的な違いや症状、HSPが両方を併発しやすい理由について。病院に行く前のチェックリストとして、分かりやすく解説します。
元・超豆腐メンタルなぎさ|HSP×不安障害
元・超豆腐メンタルなぎさ|HSP×不安障害

息苦しいのはどっち?不安障害とパニック障害の違いとHSPの対処法

【最初にお読みください】
この記事は、一般的な医学知識とHSP当事者の経験に基づいた情報です。自己判断は危険な場合がありますので、日常生活に支障が出ている場合は、必ず心療内科や精神科の専門医にご相談ください。

「電車に乗ると、急に息ができなくなるんじゃないかと怖い」
「特に理由はないのに、将来のことが心配で夜も眠れない」

心の不調を感じて調べると、必ず出てくる2つの言葉。
「パニック障害」と「不安障害」。

「私ってどっちなんだろう?」
「もしかして、両方なの?」

症状が似ているため、自分では判断がつかずに不安がさらに増してしまいますよね。


こんにちは、HSP(繊細さん)のなぎさです。


実は、HSPさんはその感受性の強さゆえに、このどちらにもなりやすい傾向があります。そして、この2つは「不安の現れ方」に明確な違いがあります。


今日は、混乱しやすい「パニック障害」と「不安障害(主に全般性不安障害)」の違いを、専門用語を使わずに分かりやすく噛み砕いて解説します。


敵(症状)の正体を知ることで、恐怖心は少し和らぎます。一緒に整理していきましょう。



一言で言うと何が違う?「天気」で例えてみた

どちらも「不安」がベースにある病気ですが、不安の「襲ってき方」が違います。
分かりやすく天気で例えてみましょう。


パニック障害 = 「突然のゲリラ豪雨」

さっきまで晴れていたのに、いきなり雷が鳴り、バケツをひっくり返したような雨が降る状態です。
「突然」「激しい」「短時間」の発作が特徴です。
「死ぬかもしれない!」と思うほどの恐怖が襲ってきますが、嵐が去れば(発作が治まれば)ケロッとすることもあります。


不安障害(全般性) = 「終わらない梅雨」

激しい嵐ではないけれど、常に空がどんより曇っていて、シトシトと雨が降り続いている状態です。
「慢性的に」「じんわりと」「長時間」続く不安が特徴です。
「なんとなく具合が悪い」「常に心配事が頭にある」という状態が、何ヶ月も続きます。


【パニック障害】の特徴:爆発的な恐怖

パニック障害の正体は、脳の警報装置(扁桃体)の誤作動です。
危険な状態ではないのに、脳が「非常事態だ!逃げろ!」と全力でサイレンを鳴らしてしまうのです。


主な症状(パニック発作)

  • 突然の激しい動悸(心臓が飛び出しそう)
  • 息苦しさ、過呼吸(空気が吸えない)
  • めまい、ふらつき
  • 発汗、手足の震え
  • 「このまま死んでしまうのではないか」という強烈な恐怖


HSPが陥りやすい「予期不安」と「広場恐怖」

パニック障害で一番厄介なのは、発作そのものよりも、その後に来る**「予期不安」**です。


「またあの発作が起きたらどうしよう…」


HSPは想像力が豊かなので、この予期不安が人一倍強く出ます。


その結果、「電車に乗れない」「美容院に行けない」「レジに並べない」といった、逃げ場のない場所を避ける「広場恐怖」に繋がりやすくなります。


【全般性不安障害】の特徴:消えない心配事

一方、全般性不安障害(GAD)は、対象がはっきりしない不安が長く続くのが特徴です。
「心配しすぎ」というレベルを超えて、生活に支障が出ます。


主な症状

  • 仕事、家族、健康、お金など、あらゆることへの過度な心配
  • 「もし〜だったらどうしよう」と悪い方向にばかり考える
  • イライラする、落ち着きがない
  • 疲れやすい、肩こり、頭痛、不眠

HSPとの関係性

HSPの気質である「深く考える」「些細なことに気づく」という特徴が、マイナスに作用してしまうと、この状態になりやすいです。
常に神経が張り詰めていて(過覚醒)、リラックスするスイッチが壊れてしまっている状態です。
「パニック発作はないけれど、毎日が辛い」というHSPさんは、こちらに近いかもしれません。


「併発」しているパターンも多い

実は、「どっちか」ではなく、**「両方持っている」**というケースも非常に多いです。


「常に漠然とした不安(不安障害)があり、ストレスがピークに達した時に、パニック発作(パニック障害)を起こす」
というパターンです。


また、HSP特有の「うつ状態」や「適応障害」とも症状が重なる部分があります。
名前をつけるのはお医者さんの仕事ですので、「私は〇〇障害だ!」と決めつけすぎず、「今は脳が誤作動を起こして疲れているんだな」と捉えることが大切です。


HSPができる「不安」への対処法

パニック障害でも、不安障害でも、やるべき対策の根っこは同じです。
「暴走している脳の神経を鎮めること」です。


1. パニック発作が起きそうな時の「グラウンディング」

「あ、発作が来るかも」とザワザワした時におすすめなのが、意識を「今、ここ」に戻すテクニックです。

  • 足の裏が地面についている感覚に集中する。
  • 周りにある「赤いもの」を3つ探す。
  • 手触りの良いハンカチを触る。


意識を「体感覚」に向けることで、脳の暴走(誤作動)を食い止めることができます。


2. 漠然とした不安には「書き出し(ジャーナリング)」

全般性不安障害の「モヤモヤ」は、頭の中にあるから怖いのです。
紙に書き出して「見える化」しましょう。

  • 何が心配? → お金がないこと
  • それは今すぐ解決できる? → できない
  • じゃあ、今悩んでも仕方ないね。

HSPは脳内メモリがいっぱいになりがちなので、紙に吐き出すことでメモリを解放してあげてください。


3. 薬を頼ることを怖がらない

「薬に依存したくない」という気持ち、痛いほど分かります。
ですが、パニック障害や不安障害は、気合いで治すものではなく、**「脳の物質不足」**が原因の場合が多いです。


骨折したらギプスをするように、脳が回復するまでの一時的な「杖」として、抗不安薬やSSRI(抗うつ薬)を使うことは、決して恥ずかしいことではありません。
漢方薬という選択肢もあります。
「辛い時間を1秒でも減らす」ことを最優先に考えてください。


まとめ:名前が何であれ、あなたは「休む」必要がある

パニック障害か、不安障害か。
その違いを知ることは大切ですが、もっと大切なことがあります。


それは、「あなたの体と心が、限界を訴えている」という事実を受け止めることです。


その症状は、あなたが弱いから出ているのではありません。
HSPという繊細な心で、今まで無理をして、気を使いすぎて、頑張りすぎてきた結果、脳が「もう休んで!」と強制停止ボタンを押そうとしているのです。


だから、まずは自分を責めるのをやめて、たっぷりと休んでください。


嵐はずっとは続きません。雨もいつかは止みます。


専門家の力を借りながら、ゆっくりと、本来のあなたのペースを取り戻していきましょう。