

「今日も、疲れた……」
家に帰り、玄関のドアを閉めた瞬間に、糸が切れたように座り込んでしまう。 テレビの音がうるさく感じる。 職場の誰かの機嫌が悪かっただけで、自分が悪いような気がして落ち込む。 週末は泥のように眠って終わる。
こんにちは、HSP(繊細さん)のなぎさです。
HSPとして生きることは、「感度MAXのセンサーを全身につけて、満員電車に乗る」ようなものです。 情報過多で脳がショートしやすく、人一倍疲れやすいのは当たり前のこと。
でも、この気質を変えることはできません。 だとしたら、私たちに必要なのは「強くなること」ではなく、「自分の守り方(対処法)」を知ることです。
この記事は、HSPである私が長年かけて実践し、効果があった「HSPのための自己対処法(コーピングリスト)」の集大成です。
これらを網羅しました。 一度に全部やる必要はありません。 「これならできそう」と思うものをピックアップして、あなただけの「お守り」にしてください。

まずは、職場や外出先で「もう無理、パニックになりそう」と感じた時に、その場でできる応急処置です。
HSPにとって、トイレは排泄の場所ではなく「避難所」です。 情報量が多すぎて辛くなったら、迷わずトイレに駆け込んで鍵をかけてください。 「遮断された空間」に身を置くだけで、脳のクールダウンが始まります。
パニック時は呼吸が浅くなっています。
これを3セットやるだけで、強制的に副交感神経(リラックス)が優位になります。
不安で頭がフワフワしている時は、足の裏に意識を集中させます。 「いま、私の右足のかかとが床についている」 「お尻が椅子の硬さを感じている」 身体感覚に意識を向けることで、思考の暴走を止めるテクニックです。
HSPの疲れの正体は、メンタルではなく「物理的な刺激(音・光・肌触り)」であることが多いです。 アイテムを使って、物理的に刺激を遮断しましょう。
HSPにとっての「神器」です。 音楽を流さなくても、「ノイキャン機能」をONにするだけで、世界が静寂に包まれます。 電車の音、空調の音、人の話し声。これらをカットするだけで、夕方の疲労度が半分以下になります。
目からの情報は脳のキャパを大きく食います。 PC作業中はブルーライトカットメガネをかける、外出時は薄い色のサングラスをする。 「レンズ一枚」のフィルターがあるだけで、HSPは安心感を覚えます。
チクチクするニット、締め付けの強い下着。これらはHSPにとって「常に攻撃されている」のと同じストレスです。 おしゃれよりも「肌触り」を優先してください。 天然素材(綿・シルク)や、縫い目のないシームレスな服に変えるだけで、謎のイライラが消えることがあります。
HSPの最大の悩み、対人関係。 「冷たい人」にならずに、自分を守るための技術です。
頼まれごとをされた時、反射的に「いいですよ」と言っていませんか? HSPは断るのが苦手です。だからこそ、即答を禁止しましょう。 「スケジュールを確認して、後でお返事しますね」 このワンクッションを置くだけで、「断るための準備」をする時間が作れます。
苦手な人、機嫌が悪い人が近くにいる時。 自分の周りに「透明で頑丈なカプセル」があることをイメージしてください。 相手の不機嫌オーラは、カプセルの外で跳ね返され、あなたには届きません。 イメージトレーニングですが、意外と効果があります。
SNSはHSPにとって「感情の洪水」です。 他人のキラキラした投稿や、ネガティブなニュースを見ると、自分のエネルギーが吸い取られます。 辛い時はアプリを削除するか、通知を全オフにして「デジタル・デトックス」をしましょう。
HSPは常に頭の中で考え事をしています。脳のメモリを開放してあげましょう。
頭の中がモヤモヤでいっぱいの時は、白い紙を用意して、思いついたことをすべて殴り書きします。 「上司がムカつく」「夕飯どうしよう」「将来が不安」 きれいに書く必要はありません。脳内のゴミを紙というゴミ箱に捨てるイメージです。 可視化すると、脳は「もう覚えておかなくていい」と判断し、スッキリします。
HSPは「嫌われたかも(想像)」と「返信が来ない(事実)」を混同しがちです。 不安になったら、「それは事実? それとも私の想像?」と自問自答してください。 9割は「想像」だと気づけるはずです。
もし親友があなたと同じミスをして落ち込んでいたら、なんて声をかけますか? 「そんなこともあるよ」「十分がんばってるよ」と言いますよね。 なのに、自分には「なんてダメなんだ」と厳しくしていませんか? 自分自身を、一番大切な親友のように慰めてあげてください。
最後に、減ってしまったHPを効率よく回復する方法です。
HSPは「休むこと」に罪悪感を持ちがちです。 あらかじめ手帳に「完全休養日」と書き込み、その日は一日中パジャマで過ごす、カップラーメンを食べる、昼寝をする。 それを「サボり」ではなく「重要な予定」として実行してください。
水には浄化作用があります。 お風呂にエプソムソルトや粗塩を入れて浸かるのがベストですが、シャワーだけでもOK。 「今日あった嫌なこと」が、排水溝に流れていくのをイメージしながら浴びてください。
公園の木々、部屋の観葉植物、空の色。 人間社会のルールに関係のない「自然」に触れると、HSPの緊張は解けます。 5分間、空を見上げるだけでも立派なセルフケアです。
ここまで、たくさんの対処法を紹介しました。
これらを実践する目的は、 「刺激に慣れて、タフな人間になること」ではありません。 「繊細なままの自分で、心地よく生きる術を身につけること」です。
HSPという気質は、車のスペックのようなもの。 F1カーのように高性能で繊細なエンジンを積んでいるのに、砂利道を爆走すれば壊れてしまいます。 適切なメンテナンス(対処法)をして、きれいな舗装道路を選んで走れば、誰よりも素晴らしい景色を見ることができます。
今日から一つずつ。 あなたの心と体を守るための「実験」を始めてみてください。 きっと、生きるのが少し楽になるはずです。