9時間寝ないと無理なHSPへ。ロングスリーパーは怠けではありません

9時間寝ないと無理なHSPへ。ロングスリーパーは怠けではありません

「毎日9時間は寝ないと頭が回らない」「休日は昼まで寝てしまう」。そんな自分を「怠け者」だと責めていませんか?HSPが長時間睡眠(ロングスリーパー)になりやすいのには、医学的な理由があります。HSPの脳の疲労回復メカニズムと、罪悪感を捨てて人生を充実させるための睡眠戦略を徹底解説します。
元・超豆腐メンタルなぎさ|HSP×不安障害
元・超豆腐メンタルなぎさ|HSP×不安障害
 

9時間寝ないと無理なHSPへ。ロングスリーパーは怠けではありません

「みんな、なんであんなに元気なんだろう…」


朝、目覚まし時計が鳴った瞬間の絶望感。 7時間寝たはずなのに、まるで徹夜明けのように体が重い。 休日は気づけばお昼過ぎまで寝てしまい、「また時間を無駄にしてしまった」と自己嫌悪に陥る。

「ショートスリーパーになって、バリバリ活動したい」
「朝活をして、充実した毎日を送りたい」

そう思って無理やり早起きをしてみるけれど、昼過ぎには頭痛がして、使い物にならなくなる。


こんにちは、HSP(繊細さん)のなぎさです。


突然ですが、あなた*「ロングスリーパー(長時間睡眠者)」という言葉を知っていますか? もし、あなたが「毎日8〜9時間は寝ないとパフォーマンスが出ない」と感じているなら、それは怠け者でも、体力が無いわけでもありません。


HSPという気質と、ロングスリーパーという体質がセットになっている可能性が非常に高いのです。


今日は、HSPの私たちがなぜこれほどまでに「睡眠」を必要とするのか。 そして、どうすれば「寝すぎる自分」への罪悪感を捨てて、幸せに生きていけるのか。 その理由と対策を、脳科学の視点も交えながら、じっくりとお話しします。



HSPが「寝ても寝ても眠い」医学的な理由

世の中には「睡眠は7時間がベスト」という説がありますが、これはあくまで平均値です。 身長や足のサイズが人によって違うように、必要な睡眠時間も遺伝子によって決まっています。


そして、HSPはその気質上、どうしても「脳の疲労」が溜まりやすく、回復に時間がかかる傾向にあります。 あなたが怠け者だからではありません。 あなたの脳が、それだけ高性能で、大量のエネルギーを消費しているからです。


1. 脳が処理している「情報量」が桁違い

非HSPの人が「1」の情報を受け取っている間に、HSPの脳は「10」も「100」もの情報を受け取っています。


例えば、電車に乗っているとき。 非HSPの人は「電車に乗っている」という事実だけを認識して、スマホを見ることができます。 しかし、HSPの脳内はバックグラウンドでこんな処理をしています。

・隣の人の話し声の内容
・向かいの人の香水の匂い
・空調の風が当たる不快感
・電車の揺れのリズム
・誰かの機嫌が悪そうな雰囲気

これらを無意識のうちにすべて拾い、深く処理しています。 つまり、普通に生きているだけで、HSPの脳は「常にフルマラソンを走っている」状態なのです。 当然、回復(睡眠)には、人よりも多くの時間が必要になります。


2. 「ガラケー」と「最新スマホ」の違い

わかりやすく例えてみましょう。 非HSPの人の脳が、機能がシンプルでバッテリー持ちが良い「ガラケー」だとしたら。 HSPの人の脳は、高機能で画面もきれいで、アプリが常にバックグラウンドで何十個も起動している「最新のハイスペックスマホ」です。


ハイスペックスマホは、できることが多い分、バッテリーの減りが異常に早いですよね。 半日使ったら充電しないと動きません。 HSPが9時間寝ないと動けないのは、これと同じです。 高性能で繊細な脳をメンテナンスするためには、急速充電(短眠)では追いつかず、じっくり充電する時間が必要不可欠なのです。


「9時間睡眠」を受け入れた時に、人生が変わる

私自身、昔は「寝ること」に強い罪悪感を持っていました。 「寝ている時間は何も生み出さない無駄な時間だ」と思い込み、無理をして6時間睡眠を続けていた時期があります。


結果はどうだったか。 メンタルは不安定になり、ミスが増え、常にイライラして、休日は泥のように寝込む。 結局、トータルの生産性はガタ落ちでした。


そこで私は、あきらめました。 「私は、9時間寝ないとポンコツになる生き物なんだ」と認めたのです。


睡眠時間を「固定費」として計上する

1日は24時間しかありません。 そこから9時間を睡眠に充てると、残りは15時間です。 多くの人は17〜18時間活動できるのに、自分は15時間しかありません。


これはハンデのように思えますが、逆です。 「私の活動時間は15時間しかない」と割り切ることで、時間の使い方が劇的にうまくなります。

・どうでもいい飲み会に行っている時間はない
・SNSをダラダラ見ている時間はない
・嫌いな人と関わっている暇はない

睡眠時間を確保するために、人生の「無駄」を徹底的に削ぎ落とすようになります。 結果として、起きている時間の密度が濃くなり、短時間睡眠の時よりもはるかに充実した日々を送れるようになるのです。


HSPロングスリーパーのための「生存戦略」

では、実際にどうやって忙しい日常の中で9時間睡眠を確保し、質を高めていけばいいのでしょうか。 私が実践している具体的なテクニックを紹介します。


1. 「何時に起きるか」ではなく「何時に寝るか」を決める

多くの人は「朝7時に起きなきゃいけないから」と考えますが、ロングスリーパーは逆算思考が必要です。 「7時にスッキリ起きるためには、夜10時には布団に入っていなければならない」


これが絶対のルールです。 夜10時を過ぎたら、皿が洗っていなくても、洗濯物が畳んでいなくても、すべてを放棄して寝ます。 「家事が終わってない」というストレスよりも、「睡眠不足」による翌日のメンタル崩壊の方が、HSPにとっては遥かにリスクが高いからです。 家事は翌朝、スッキリした頭で片付けたほうが3倍速く終わります。


2. 昼寝(パワーナップ)を戦略的に使う

どうしても夜に時間が取れない場合、昼間の15分〜20分の仮眠を取り入れてください。 HSPの脳は、午前中の刺激だけでお昼にはオーバーヒートしています。


ここで一度、脳のスイッチを強制的に切る(再起動する)ことで、午後のパフォーマンス低下を防げます。 眠れなくても大丈夫です。 「アイマスクをして、耳栓をして、視覚と聴覚を遮断して10分座る」 これだけでも、HSPの脳にとっては数時間の睡眠に匹敵する休息効果があります。


3. 寝室を「完全な聖域」にする

HSPは眠りが浅い傾向があります。 時計の秒針の音、外の車の音、豆電球の明かり、布団の肌触り。 些細な刺激で覚醒してしまうため、環境づくりには投資を惜しまないでください。

遮光カーテン: 一筋の光も入れないレベルのものに変える。
耳栓: シリコン製など、耳が痛くならないものを探す。
寝具: 重みのある掛け布団(加重ブランケット)は、HSPに安心感を与え、安眠効果があると言われています。
スマホ持ち込み禁止: 寝室にスマホを持ち込むのは、脳に覚醒剤を打つのと同じです。玄関かリビングに置いて充電しましょう。

罪悪感を手放そう。あなたは「怠け者」ではない

最後に、一番大切なことを伝えます。 どうか、長く寝てしまう自分を責めるのをやめてください。


アインシュタインも、1日10時間以上寝ていたロングスリーパーとして有名です。 プロのアスリートも、身体のメンテナンスのために驚くほど長い睡眠時間を取ります。


あなたも同じです。 あなたは、HSPという繊細で、思慮深く、クリエイティブな才能を持った「脳のアスリート」なのです。 その才能を発揮するために、長いメンテナンス時間が必要なのは当たり前のこと。


「たくさん寝ちゃった…」と落ち込むのではなく、 「よし! 今日も9時間しっかりチャージできた! 私の脳、メンテナンス完了!」 と、ガッツポーズをして起きてください。


睡眠は、逃げでもサボりでもありません。 HSPのあなたが、あなたらしく輝くための、一番重要な仕事なのですから。 今日も早めに電気を消して、泥のように眠りましょう。 おやすみなさい。